EMERGING Director’s Art Fair ULTRA 006 レポート

ULTRA06 会場の様子

ULTRA006 会場の様子

こちらのブログでは、はじめましてになります。山中と申します。
ART OSAKAでは、昨年今年と「ぐるりとギャラリー、大阪ツアー」を関西アートカレンダーの方々と一緒に企画させていただきまして、ご参加いただいたみなさまには大変お世話になりました。

私は、インディペンデント・キュレーターとして外部での展覧会やアートイベントの企画をおこなうことと平行して、大阪市此花区に「the three konohana」というギャラリーを運営しております。10月26日~11月4日に、東京・南青山のスパイラルにて開催されたアートフェア「EMERGING Director’s Art Fair ULTRA 006」(以下「ウルトラ」)の前期(10月26日~29日)に出展して参りまして、そのレポートをお送りいただきます。

ULTRA06 会場の様子

ULTRA006 会場の様子

「ウルトラ」は、タイトルの通り今年で6年目となる、現在国内で継続して開催されているアートフェアとしてはART OSAKA、アートフェア東京に次ぐ老舗アートフェアと呼べるものです。
この「ウルトラ」の特色は、ギャラリスト単位で出展するフェアです。一般的なアートフェアは基本的にギャラリー単位の出展となりますが、この「ウルトラ」はギャラリーのオーナーだけではなく、ギャラリーのスタッフでも個人で出展が可能というものです。

ウルトラ発起人 池内務氏

エマージング・ディレクターズ・アートフェア「ウルトラ」フェアマネージャー 池内務氏

この「ウルトラ」の発起人であり、フェアマネージャーの池内務さんです。(すいません、ちょっとピントが合っておりません・汗)
池内さんは、このアート業界ではお馴染みの、東京の老舗ギャラリー「レントゲンヴェルケ」の代表として、日本の現代アートを長年牽引してこられた日本を代表するギャラリストのお一人です。ART OSAKAにも、2004年と2006年から毎年出展されています。

「ウルトラ」の趣旨は、明確に『若手ギャラリストの育成』です。アート業界の活性化のためには、自分自身の利潤や名声だけではなく、後継者としての次世代のギャラリストをどんどん輩出していくこと。池内さんの「ウルトラ」設立の意図にはそれが明確にあり、現在もその目的は揺るいでいません。つまり、ビジネスとしてのギャラリストの重要な要素の一面を、アートフェアで鍛える場としての「ウルトラ」なのです。
これまでにも、「ウルトラ」を通過した多くの若手ギャラリストにも、海外のアートフェアに頻繁に出展するようになったり、独自の動きで国内外に通用するトップギャラリーに成長した方も多くおられます。いわば若手ギャラリストの登竜門として、この「ウルトラ」ははっきりと位置づけられています。

ULTRA06 会場の様子

ULTRA006 会場の様子

ULTRA06 オープニングレセプション

ULTRA006 オープニングレセプション

今年の「ウルトラ」、私は前期の出展で、開催前夜の台風接近や地震で少し心配はありましたが、初日のオープン当初から多くの方々がお越しになり、東京での「ウルトラ」の注目度および毎年恒例のイベントとしての定着度の高さを思い知らされました。初日のオープニングレセプションにも、コレクターの方々や業界関係者が多数詰め掛けて、閉店時間まで大いににぎわっておりました。前期の4日間でも5000人強の来場者、前後期トータルでも11000人以上の来場者があったそうです。

せっかくなので、私のブースも控えめにご紹介させていただきます(笑)。

展示ブース / 山中俊広  (the three konohana )

展示ブース / 山中俊広 (the three konohana )

私のギャラリーで9月10月に個展を開催した加賀城健さんと、同じ此花区のギャラリー梅香堂の取扱作家前谷康太郎さんの作品を、「ウルトラ」でご紹介いたしました。
向かって左側に、前谷さんが自然光をサンプリングしたミニマムな写真作品の新作シリーズ、右側は加賀城さんが染色した着物の反物などをコラボレーションして、壁面インスタレーション展示でおこないました。他のブースとも毛色が違う内容でしたので、足を留めてじっくりと見てくださる機会も多くありました。

ULTRA06 会場の様子

ULTRA006 会場の様子

お客さん目線からこの「ウルトラ」を見ますと、若いギャラリストが多いので出品している作家も比較的若手が多く、作品もリーズナブルなものが目立っていました。また、会場も南青山のランドマーク的な建物なので、アートにそれほど馴染みの少ない若いお客さんも多数お越しになられていて、アート作品を身近に感じてもらったり、初めての作品購入の場としては理想的なアートフェアという印象でした。もちろんコレクターの方々も、若手発掘の意識を持ってご覧になられていますし、「ウルトラ」は『若手による若手のため』のアートフェアとして、お客さんにもギャラリストにも浸透し定着しているアートフェアといえるでしょう。

少し補足としまして、「ウルトラ」後期の11月初旬には、スパイラルのスペースの一部で「+PLUS: THE ART FAIR 004」が同時開催され、こちらでは一般的なアートフェアスタイルで、ギャラリー出展によるアートフェアがありました。熟練したベテランの感性と若手のみずみずしい感性、両者のバランスが合ってこそ、日本のアートシーンは成熟と成長を深めていくものなのだと思います。

EMERGING Director’s Art Fair ULTRA / +PLUS: THE ART FAIR ホームページ:
http://systemultra.com/wp/

text:山中俊広/インディペンデント・キュレーター、the three konohana代表

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