NOW Japan 展 訪問

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Kunsthal KAdE   2014年に新築移転予定

アメルスフォ-ルトという聞き覚えのないオランダの一都市から2人のキュレーターがリサーチにやってきて約2年、紆余曲折あったが NOW Japan 展はついに実現されることとなった (会期:2013年9月21日ー2014年2月2日)。会場となる Kunsthal KAdE は人口15万人規模のアメルスフォールト市とモンドリアン財団が運営する現代美術やメディアアートの企画展示に特化した小規模ながら明るい雰囲気の美術館である。

草間、村上、奈良だけではない現在進行形の日本のアートを紹介しその理解を広めたいという展覧会趣旨に沿い、37名の多彩な作家が選出された。もとはアニメや漫画から離れて従来の日本の伝統文化や美意識が現代美術にどのように反映されているかを探りながらの人選であったようだが、そこにフクシマというキーワードが加わり、いささか盛り込みすぎという感も否めないが、森末由美子以外の作家としては、金氏徹平、鬼頭健吾、伊藤存、青木陵子、チム↑ポム、鳥光桃代、赤瀬川原平、佐藤允、木藤純子、照屋勇賢、田名網敬一などが選ばれている。

Exhibition View

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作品奥:鳥光桃代 / Momoyo Torimistu

Exhibition View

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作品左:ウォールペインティング:佐藤允 / Ataru Sato
作品右:インスタレーション:鬼頭健吾 / Kengo Kito

展示を終え、オープニングまでにテレビ局や新聞社のインタビューを受ける森末由美子。

展示を終え、オープニングまでにテレビ局や新聞社のインタビューを受ける森末由美子

NOWJapan_KAdE_2013_013

KAdEのキュレーターやスタッフはとても有能、効率よくさまざまなイヴェントを用意しつつ、不慣れな作家にもリラックスした雰囲気で展覧会本番へと盛り上げてくれた。会期中は日本の自主制作映画やジブリアニメの上映、建築などのレクチャアーが開かれるなど日本関連のイヴェントがつづいているようだ。

NOWJapan_KAdE2013_019

9月20日オープニングの様子

9月20日オープニングの様子

9月20日オープニングの様子

ところで1960年代にパリに渡った工藤哲巳をいち早く取り上げたのはオランダの美術館で、彼を長きに亘って支えたコレクターもオランダ人であったこと、奈良美智がドイツにいたときも現地の画廊より早く個展やフェア出品をしたのはオランダの画廊と聞く。ここからほど近いクローラーミューラー美術館でもかなり前から日本の現代美術を取り上げた企画展が何度か開催されていると聞く。

「具体」や「もの派」のように近年脚光を浴び、欧米で潤沢な予算でアップデートされてきた展覧会と違って国際的には未評価の作家も混じるNOW Japan展は予算調整に苦渋し実現までに多難であっただろうと察せられる。日本に何度も足を運び独自の視点で切り取った日本の現代美術の一側面をこういうかたちで紹介していただいたことに感謝したいと思う。

本展の企画者の一人ロバート・ルース氏が指摘するように日本のアーチストが既に国際水準にあること、日本の現代美術が世界のアートシーンの重要な一部であることをかみしめながら帰途に就いた。

3.11以降という大きな歴史のターニングポイントを抱えながらもこれからの日本のアートシーンはますます海外から注目されるものとなっていくであろう。NOW JapanはNOWだけでない「日本(のアート)はこれからどうなるの?」という小さな波紋も投げかけているのではないかと思った。

本展は2014年2月2日(日)まで開催中。
公式ウェブサイト:www.kunsthalkade.nl

text  : 細川佳洋子 / ギャラリーほそかわ・ART OSAKA 実行委員

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