JEUNE CREATION 2013 報告会 -後編-

去る11月8日から17日まで、パリにて開催したジュンヌクレアシオンの展覧会で、審査員という大役を仰せつかり、会場での状況をご報告いたします。

11月8日(木) プレビュー:プレス発表

11月8日(木) プレビュー:プレス発表

記者発表の後、審査が開始されました。審査員は毎年かわるそうですが、今年は私を含む7名からなっており、他のメンバーはChristian Bernard 氏 (ジュネーブ近現代美術館館長)、Thomas Bernard 氏 (Galerie Corex Athletico, Bordeaux, Paris ギャラリーオーナー) 、Damien Leclere 氏 (オークション会社 ルクレール社長)、 Anae:l Pigeat 氏 (アート雑誌 ArtPress の編集長)、Muriel Enjalran 氏 (美術評論家及びインディペンデントキュレーター)や、アーティスト Societe Realiste 氏と、錚々たるメンバーでした。ちなみに、昨年の審査員長には、パリを代表し国際的にも知られる老舗画廊 Yvon Lambert のYvon Lambert 氏が審査員長を担っていたそうです。 JEUNE CREATION は、多方面からの鋭く確かな視点で評価するという意思が見えました。約50名の作品をひとつひとつ丁寧に、時間をかけて見て回るのですが、当然ながら皆さんの意見、評価は分かれます。

11月8日(木) プレビュー:グランプリを発表する審査員の様子

11月8日(木) プレビュー:グランプリを発表する審査員の様子

展示作品は、日本の同様の公募展示とはかなり異なる作品群です。映像やインスタレーション、パフォーマンスが主流で、平面作品は極端に少ない。これまでにあるようなものではなく、エッジに効いた作品が多い。フェアなどで見る作品や売れることを想定した作品は少なく、より自由な表現を目指しているのと、パリっぽいという意見もありました。

展示風景

展示風景

展示風景

展示風景

展示風景

展示風景

選考方法は、まず各審査委員がそれぞれ5名を選出し、票の少ないものを落としていきます。残った作品から更に票をとってどんどん減らしていき、最終的に2-3名に絞りました。その間も自分が推薦するアーティストについては意見を述べて、他の皆さんに訴えかけるという光景も多々ありました。そして残ったアーティスト作品についてはかなりの激論が交わされました。お互い譲らないという意見がぶつかり白熱した状況は、とても刺激になりました。
論点は、展示した作品のみで評価すべきか、過去の経歴やポートフォリオも見て判断するのか、ということでした。当然私はアーティストのバックグラウンドを知りませんでしたので、今回の展示作品で評価すべきと考えていましたが、結局他方のアーティストが選出されました。

グランプリ受賞作品 Sergio Verastegui (b.1981, ペルー出身 パリ在住)

グランプリ受賞作品 Sergio Verastegui (b.1981, ペルー出身 パリ在住)

準グランプリ受賞作品:Elizaveta Konovalova(b.1986、ロシア出身、パリ在住)

準グランプリ受賞作品 Elizaveta Konovalova(b.1986、ロシア出身、パリ在住)

それとは別に、ART OSAKA賞も選出し、映像と写真表現でユニットアーティスト「Lucie & Simon」になりました。今回の展示では5個の映像を使い、展示方法がとてもよく、じっと見入ってしまいました。あとで聞くと、彼らは、2010年にHSBC賞グランプリを受賞し、フランス国内の巡回展の展示機会を獲得したそうで、ヨーロッパを中心に、中国やアメリカでも広く活躍している作家だそうです。

ART OSAKA 賞:Lucie &  Simon (b1981, b1985 ) フランス人とドイツ人のユニット

ART OSAKA 賞:Lucie & Simon (b1981, b1985 ) フランス人とドイツ人のユニット

Lucie & Simon の作品は、来年のART OSAKAで展示予定ですので、楽しみにし てください!

それから、展覧会会期中には、JC 運営側と、ART OSAKA 2013 で 奨励賞を受賞した3名(南俊輔さん、三宅砂織さん、マリアーネさん)のフランスでの作品展示に関しての話合いも、慌ただしい中、時間を見つけて行われました。その結果、次の3パターンの提案がなされました。

1.モンマルトルにある JC 所有のギャラリーでの展示。
2.マレ地区にある JC と交流が深いコマーシャルギャラリーでの展示。
3.マルセイユにある JC のアートスペースで展示→パリに巡回。
(マルセイユのほうが設備など整っていて、問題が少なく実現できるかも、ということでした。)

どのパターンになる今後の方針や、展覧会に関しては、JC 展覧会終了後に、フランス側が総括をして、決定されることになりました。より良い展示を実現するために、じっくりと検討してから展覧会を開催したいというフランス側の意向もあり、現段階では2014年4月あたりを目処に、双方動いていくことで一旦まとまりました。こちらからもアプローチしていきたいと思います。

JEUNE CREATION スタッフとブランチミーティング

JEUNE CREATION スタッフとブランチミーティング

JEUNE CREATION Gallery 外観

JEUNE CREATION Gallery 外観

JEUNE CREATION Gallery の内部

JEUNE CREATION Gallery の内部

今回のパリでの交流展示では、お互い初めてということもあり、色々な問題点や改善点も出てきました。JC 展に出展した鈴木悠哉さんとも話しておりましたが、改善点はあるものの、JCという公募展での展示は今後日本のアーティストにとってはとても意義のあるもので、今後も継続するしていければと考えています。

アートフェアという枠組みで考えた場合、今回の企画が即販売やART OSAKA の利益になるものではありませんが、このような交流は、参加ギャラリーで扱われている作家にとって、そのギャラリーにとって、他のアプライしたアーティストにとって、多様な意義があるように思います。交流することでのART OSAKA の存在価値、他のフェアとの差別化、コレクターの方々に対するアピール、ご賛同いただける企業や財団と関係づくりなどを考えると、非常に効果が期待できると思います。継続的に交流することで、フランスとのパイプがより深くなり、可能性は広がることでしょう。

text:松尾良一 / TEZUKAYAMA GALLERY・ART OSAKA 実行委員長
情報提供:糟谷恭子 / パリ在住 アートコーディネーター

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