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「想像しなおし」展 プレビューと福岡のアートシーン紹介

ART OSAKA BLOG、今回は福岡市美術館で開催されている注目の現代美術展「想像しなおし」について、福岡を拠点に活動するアートコーディネーター 宮本初音氏(ART BASE 88 主宰)にゲストライターとして寄稿頂きました。美術館だけでなく福岡のアートシーンの現場についてもご紹介頂きましたので、福岡訪問の際には合わせてチェック下さい!

2014/1/5 ギャラリートーク会場 写真提供:福岡市美術館

展覧会 オープニング (2014年1月 5日) ギャラリートーク会場
写真提供:福岡市美術館

2014年1月5日、年始から福岡市美術館は大変な熱気に包まれた。
コンテンポラリーアートの企画「想像しなおし」展、その初日のギャラリートークに観客約200人が集ったのである。

国内外で活躍する、まさに仕事がのっている30代のアーティスト6人が年末年始の期間福岡に滞在し、制作・設営を行った。
担当キュレーターがオリジナルのテーマを決め、それに沿った作家選考がおこなわれ、各作家とじっくりやりとりしながら、作品をつくりあげていく、それを公立美術館が主催する。世界的にはスタンダードな、このスタイルでコンテンポラリーアートの展覧会が開催されることは、福岡では実は稀なことである。

改装に入る前の同館のメイン展示室を、それぞれが大胆に使った作品は、相互に関連しあい、しかし独立して新しい視点を提案しつづけてくる。謎めいたタイトル「想像しなおし」をキーワードに最先端の「現代美術」の醍醐味をたっぷり堪能できる空間である。

 大西康明

大西康明   手前:「vertical emptiness (volume of strings)」2014    奥:「untitled」2014
撮影:山中慎太郎 写真提供:福岡市美術館

手塚愛子

手塚愛子    左:「想像しなおす」2014  右:「Suspended Organs (bruise)」2014
撮影:山中慎太郎  写真提供:福岡市美術館

川辺ナホ

川辺ナホ「眼鏡店」2013-14
撮影:山中慎太郎  写真提供:福岡市美術館

狩野哲郎

狩野哲郎「Wunderkammer」2013-14
撮影:山中慎太郎  写真提供:福岡市美術館

山本高之

山本高之「Facing the Unknown」2012
撮影:山中慎太郎 写真提供:福岡市美術館

山内光枝

山内光枝「you are here」2013-14
撮影:山中慎太郎  写真提供:福岡市美術館

この福岡市美術館は1980年代にはしばしば、東京で活動するアーティストを招聘し現地制作をおこなってきた歴史がある。当時20代の川俣正や30代の戸谷成雄らが地元作家と密接に交流していた。影響を受けた作家達が、こののちにアートプロジェクトを次々と企画するという時代を迎えたのである。
「想像しなおし」展においても、地元アーティストが制作をアシストした。その関わりが今後にどう繋がるのか、興味深い。

さらに注目されるのは、同展に合わせ福岡市内の多くのアートスペースで地元アーティスト展覧会が開催されていることである。アートシーズンの秋でなく1月にこれだけの企画展が出揃うのも非常に珍しい。
「想像しなおし」展のポスターや図録等デザイン全般を担当したカラマリ・インク(福岡市博多区)は、民家を使った自社オフィスを会場に、彫刻と絵画の二人展を主催。古い家屋の雰囲気を活かした見応えある展示で話題となっている。

近藤祐史

近藤祐史 「Golem」2013 H102×W48×D70 cm Cement
撮影:山中慎太郎 会場・写真提供:カラマリ・インク

遠山裕崇

遠山裕崇 左:「無題(溶解)」2013 45.5 x 53.0 cm oil, beeswax, on canvas
右:「無題(降下)」 2013 91.0 x 116.7 cm  oil, beeswax, canvas, on panel
撮影:山中慎太郎 会場・写真提供:カラマリ・インク 

大名のkonya-gallery(福岡市中央区)では20代から50代の福岡にゆかりあるアーティスト19組が参加した「Treasure Ship」展を開催、2014年にちなんで20140円で作品販売をおこなった。作品を売買する習慣が少ない福岡で、アーティストへのサポートや交流を狙った企画であり、トークにも多くの地元アーティストが集った。

Treasure Ship展 会場風景  写真提供:konya 2023

Treasure Ship展  会場風景  写真提供:konya 2023

Treasure Ship展 トーク風景 写真提供:konya 2023提供

Treasure Ship展  トーク風景  写真提供:konya 2023

このほか若手アーティストたちに知られたスペース、art space tetra(博多区)、IAF SHOP*(中央区)、シゲキバ(中央区)などでも20代から30代のアーティスト達が意欲的な展示に挑んだ。いずれも「想像しなおし」の会期と連動し観客が回遊することを想定している。

公立美術館が地元アーティストと連携をとることは、簡単なようで意外と行われにくかった。しかし事前に情報を交換し連携していくことが、予想を超える大きな反応へと繋がっていく。この意味でも「想像しなおし」展が福岡アートシーンに与えた影響は極めて重要なのである。

2014年秋には5年ぶりに第5回福岡アジア美術トリエンナーレが開催される。人口が150万人を超え、クリエイターの移住者も増えてきた福岡。九州各地のアーティストたちとの連携も活発になっているこの地のアートシーンに、これからも注目していただきたい。

[2014年1月の福岡の注目展覧会リンク]
1/5-2/23 福岡市美術館「想像しなおし」
http://sozoshinaoshi.com/
1/5-1/19 konya gallery “Treasure S hip”
http://konya2023.travelers-project.info/konya-gallery/2013/11/konya2023-new-years-art-mart—treasure-ship—1.html
1/5-2/23 Calamari Inc. “Split Ex.”
http://split-ex.calamariinc.com
1/5-1/18 シゲキバ 生島 国宜 個展 “joke”
http://sigekiba.com/news/art/1650/
1/5-1/13, 1/14-1/26(前期と後期)
アートスペース貘「漕ぎ手達の船」
http://www.artspacebaku.net/wiki/
1/7-1/26 art space tetra 「音と平面」 諸岡光男/田熊沙織
http://www.as-tetra.info/archives/2014/140107000420.html
1/9-1/26 IAF SHOP * 實松亮 「READING 」
http://members.jcom.home.ne.jp/iaf_shop/schedule.htm

北九州
1/7-1/26 Operation Table “Morgan O ‘Hara/ Cosm opolitan Pencil どこでもえんぴつ”
http://operation-table.com/

2013/10/15-2014/1/19 千草ホテル 中庭アートPROJECTS vol.14 牛島光太郎 展「千草ホテルの『何も起きない話』」
http://www.chigusa.co.jp/art_chigusa/2013/09/project-vol14.html

text by:宮本 初音 (アートコーディネーター / ART BASE88)福岡在住

謹賀新年:ART OSAKA 2014

いよいよ、2014年がスタートしました。
今年は2月にはソチオリンピック、6月にはサッカーワールドカップなどスポーツも目白押しの年ですね。
アートの世界で言えば、今年はベネチアビエンナーレは国際建築展ですし、大規模な国際展がないのかなぁ、と思うのは早とちりでした。
国内では今年初開催となるの札幌国際芸術際が7月19日~9月28日まで予定され、第5回横浜トリエンナーレも8月1日~11月3日まで予定されています。アジアに目を向けると、現在~2月16日まで、シンガポールビエンナーレが開催されている他、秋には釜山ピエンナーレメディアシティソウルが予定され、また台湾でも台北ビエンナーレが予定されています。

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いつも ART OSAKA blog を見て下さっている皆様、
今年の新しいスケジュール帳に、7月12日、13日にART OSAKA とチェックを入れて下さいね。
そしてアートフェア+αとして、国際芸術祭に行ってみたり、美術館へ行ってみたり、ギャラリーへ是非足をお運び下さい。ちなみに兵庫県立美術館 では来る1月18日(土)より3月23日(日)まで、ポンピドゥー・センター・コレクション 展が開催され、国立国際美術館では、2月1日(土) から5月11日(日)までアンドレアス・グルスキー展 が予定されています。

ではでは今年もどうぞ宜しくお願い致します。

(参考)
世界中の国際展の情報が地理関係と共にまとめられているサイトが、横浜トリエンナーレのWebsite内にありました。ご興味ある方は是非こちらへ
http://www.yokohamatriennale.jp/international/index.html

text:宮本典子 / ART OSAKA フェアマネジャー