カテゴリー別アーカイブ: ART OSAKA

6/21「反撃!抽象絵画」トークイベントのお知らせ

特別展「反撃!抽象絵画」チラシ(表)

特別展「反撃!抽象絵画」チラシ(表)

みなさんはじめまして!今年度からART OSAKA事務局に入りました、川西と申します。いよいよフェア当日まで残り2ヶ月を切りました。出展ギャラリーのみなさんと協力をしながら、素敵なフェアになるよう努めて参りますので、引き続きご注目のほど、よろしくお願いいたします。

さて、ART OSAKA 2015ではフェア期間中、ホテル同フロアにて特別展「反撃!抽象絵画」を開催いたします。いま、抽象絵画にはどのような可能性があるのか。「新たな抽象絵画論」を問う試みとして、現存作家による日本の抽象絵画を紹介いたします。6月21日(日)にはプレ企画としてトークイベントを開催いたしますので、まずはその告知をさせて頂きます。出品作家も参加いたしますので、どうぞお見逃しなく!

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トークイベント「あらたなる抽象絵画論ーイメージと空間」
登壇作家:木村秀樹、東島毅、北𡌛吉彦、中川佳宣、寺島みどり
モデレーター:加藤義夫(本展キュレーター)
日時:6月21日(日)15:00〜17:00
(トーク終了後、1時間程度の交流会を予定)
会場:大阪府立江之子島文化芸術創造センター enoco
入場料:500円(事前予約不要)

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ART OSAKA 2015 特別展「反撃!抽象絵画」チラシ(裏)

ART OSAKA 2015 特別展「反撃!抽象絵画」チラシ(裏)

text:川西遥(ART OSAKA 事務局)

ART OSAKA 2015 今年はエメラルドグリーン !

ART OSAKA 2015 LOGO

ART OSAKA 2015 LOGO

お久しぶりです!ART OSAKA 事務局、宮本です。

春は別れと、新しい出会いの季節。 気持ちがどこかフレッシュになります。この気持ちを追い風に、ART OSAKA 2015 に向けて、事務局も7月までちょうど3ヶ月走り続けます(笑)。

もうお気付きかと思うのですが、実は今年からART OSAKAのカラーを、エメラルドグリーンに変えました。

カラフルロゴマークに一新したのは2013年度からでしたが、実はその時から毎年キーカラーを設けて、色による展開を想定しておりました。2013年、2014年はロゴの定着を優先し、キーカラーを導入を見送っていたのですが、満を持してこの度いよいよ(← そんな大げさじゃないですが)、2015年はキーカラーをエメラルドグリーンに決定しました。様々な広報物を緑色でPRをしてまいります。

4月1日 印刷物の打ち合わせ (株 )ライブアートブックのIさんとデザイナーの 芝野君

4月1日 印刷物の打ち合わせ (株 )ライブアートブックスのIさんとノマルグラフィックス デザイナーの 芝野君

例年より1ヶ月ほど早いですが、ART OSAKA 2015 のチラシも実はもう印刷に入っております!

昨日は、ART OSAKA へ印刷ご協賛頂いている (感謝!) (株) ライブアートブックス (旧社名 (株)大伸社さん) の Iさんと色味の確認を致しました。風合いのある紙質の影響で落ちてしまう色味を、蛍光インキを少し足すことで鮮やかな色味にしてもらいました。そんなところまで気を配って下さることに感激。

4月半ば頃には配布が開始されると思いますので、綺麗なエメラルドグリーンのチラシを見かけたら、ぜひお手に取ってくださいね。

それでは、ART OSAKA 2015 をお楽しみに。

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ART OSAKA 2015
会期:2015年7月4日(土)ー5日(日)
会場:ホテルグランヴィア大阪 26F
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text:宮本典子(ART OSAKA 事務局)

ART OSAKA 2014 フォトレポート第2弾

皆さまこんにちは、ART OSAKA事務局です。 第1弾のレポートに続き、フォトレポートブログ第2弾をお届けします。 このブログでは企画展とExhibition PLUSについてご紹介していきます。 それでは早速企画展のご紹介から。

Lucie & Simon『Silent world』

展示室の様子:Lucie & Simon

展示室の様子:Lucie & Simon 撮影:早川智彬

ART OSAKA が JEUNE CREATION とパートナーシップを組んで行う日仏若手作家交流企画の第2弾。
Lucie & Simonは、都市風景や日常生活を静謐で叙情的な映像と写真で表現している新進気鋭のアーティストで、今回が初来日。日本初となる発表を、このART OSAKA 2014で行うことが出来ました。 会期中は、作家が通訳を介して、来場者と積極的にコミュニケーションをとりながら作品を紹介しているのが印象的でした。

京都市立芸術大学『アートで目覚めるvol.2』

展示室の様子:京都市立芸術大学 写真奥真ん中:松平莉奈 写真手前左:髙木智子

展示室の様子:京都市立芸術大学 写真手前左:髙木智子 写真奥中央:松平莉奈 撮影:早川智彬

京都市立芸術大学とのコラボレーション企画で新人作家4名を紹介。 連日出展作家も会場入りし、多くの来場者の反応を直接感じる刺激的な機会になりました。 次の展示機会へ繋がる話もあったとか。今後の活躍が楽しみですね。

アート高雄inアート大阪2014

展示室の様子:ART 高雄

展示室の様子:アート高雄 撮影:早川智彬

フェアパートナーシップを組んでいる「アート高雄」のブース。Galerie Grand Seicle と Chuan Cheng Art Center が共同で展示構成をし、フェアのプロモーションを行いました。今度は、12月におこなわれる高雄のフェアにもART OSAKAのブースが出展予定です♪

大阪・ハンブルク友好都市提携25周年記念事業 『マリエラ・モスラー& ウエダ リクオ』

写真奥_ガラス面:マリエラ・モスラー 写真手前_立体:ウエダリクオ

写真奥 ガラス面:マリエラ・モスラー 写真手前 立体:ウエダリクオ 撮影:早川智彬

窓につけられているのは、マリエラ・モスラーのマスクシリーズ。作品の中には日本に着いてから制作、仕上げたものもあったそうで、それも現代美術の所以! 窓際の台の上に置かれている作品はウエダリクオの代表作である風シリーズのオブジェ。他にも映像や、風のコレクションが出展されました。

Exhibition PLUS

ART OSAKA 2014では、通常の展示室とは別に”PLUS”というカテゴリーを設け、個展形式やテーマ性を持たせた展示枠をつくりました。今回は出展ギャラリーの中から16のギャラリーがExhibition PLUSに参加されました。 通常の展示室とはまたひと味異なり、インスタレーションのような展示が数多く展開されました。

大﨑のぶゆき 個展 / ギャラリーほそかわ

大﨑のぶゆき 個展 / ギャラリーほそかわ 撮影:早川智彬

 

架菜梨案 個展 / ギャラリー工房 親

架菜梨案 個展 / ギャラリー工房 親 撮影:早川智彬

岩井知子 個展 / FUKUGAN GALLERY

岩井知子 個展 / FUKUGAN GALLERY 撮影:早川智彬

尚、展示風景の写真はflickerにまとめていますので、お時間のある時に是非覗いてみてください。 また、クロージングレポートもこちらにあります。 まだまだ暑い日が続きますが日常生活の気分転換に、このフェアを機に出会ったギャラリーへ足を運んでみてはいかがでしょうか。 来年はもっと深くフェアをお楽しみいただけますよ!

text:鈴木香澄(ART OSAKA 事務局)

ART OSAKA 2014フォトレポート第1弾

展示室の様子_ギャラリー301

展示室の様子:ギャラリー301 平面の作品:ユルキヤスヒト  中央の台彫刻:安見友太 撮影:早川智彬

こんにちは、ART OSAKA事務局です。ART OSAKAが閉幕して早くも3週間。 ご来場いただきました皆様、関係者の皆様へ運営側一同心よりお礼申し上げます。 早速ですが、ブログは2回に渡りフォトレポートをお届けします。 第1弾はフェア期間の様子を写真で振り返って参ります〜。

栗棟美里 作品 / テヅカヤマギャラリー 

栗棟美里 作品 / テヅカヤマギャラリー 撮影:早川智彬

7月11日(金)内覧会 フェア初日は天気予報では台風が関西直撃と予想され、どうなることかと思いきやそんな心配をよそに晴れ間のみえるお天気となり、多くの招待客の方々にお越し頂きました。夜にはカクテルサービスをおこない、ドリンクを片手に会場をゆっくりご覧いただきました。

会場風景

受付け前会場風景 撮影:早川智彬

7月12日(土)一般公開 一日目 ナイトビューイング 一般公開の土曜日になると、会場直後からどんどんお客様がご来場されました。夜は年々定着してきたナイトビューイング(19:00-21:00の時間帯)を開催しました。昼間の印象とは一味違う雰囲気の中で、作品を楽しめる特別な夜となりました。

ナイトビューイング風景:ウェルカムドリンク

ナイトビューイングの様子:ウェルカムドリンク 協賛:アサヒビール(株) 撮影:早川智彬

7月13日(日)一般公開 二日目 フェア最終日は、フランスの芸術団体 “JEUNE CREATION ” との交流プログラムで、この秋にパリで開催されるグループ展JEUNE CREATION に招待派遣される、若手作家1名を決める審査が行われておりました。

JC選考審査の様子

JC選考審査の様子 撮影:早川智彬

今回見事グランプリに輝きましたのは、奈良と東京にスペースを持つGallery OUT of PLACEから出展していた中島崇さんです。おめでとうございます。 中島さんは、Exhibition PLUSの部屋で大量の枕を繋げたインスタレーション作品を展示していました。フランスでの展示も楽しみですね。

JC最優秀賞に選ばれた中島崇氏のインスタレーション作品

JC最優秀賞に選ばれた中島崇氏のインスタレーション作品 撮影:早川智彬

今回のフェアでは、出展ギャラリーの展示も然ることながら、昨年に続くJEUNE CREATIONの審査発表、企画展の数の増加とそれに伴う関連イベントの開催、ホテルとのコラボ商品販売等でフェア全体に盛り上がりをみせました。

展示室の様子:Yoshimi Arts

展示室の様子:Yoshimi Arts 撮影:早川智彬

次のブログでは今回紹介しきれなかった企画展をご紹介致します。 (つづく)

text :鈴木香澄(ART OSAKA 事務局)

ホテルグランヴィア大阪×ART OSAKAコラボ商品完成!

作品画像 左上:岡本啓、右上:川北ゆう、下:現代美術二等兵

作品画像 左上:岡本啓「34.768061_135.49329」、 右上:川北ゆう「2013.9.27」、 下:現代美術二等兵「未完の大作」

皆さまこんにちは。
6月中旬になり、ART OSAKA開催まで残り3週間をきりました。
事務局ではフェア開催に向けて着々と準備が進んでいます。
今年のART OSAKAは会場となるホテルグランヴィア大阪とコラボして、オリジナル商品を販売いたします!
ホテルパティシエ・バーテンダーとART OSAKA出展アーティスト3名(ユニット)とコラボレーションして作り出されたオリジナルカクテル&スイーツが実現しました。

今回選ばれた3名の気になるアーティストはというと・・・

岡本啓(Yoshiaki Inoue Gallery)カクテルコラボ
印画紙の上に直接現像液や光を用いて、色彩豊かな色や形を浮かび上がらせるという独自の手法で作品を制作しています。

川北ゆう(The Third Gallery Aya)カクテルコラボ
タイルに絵の具をおき、水を用いて絵の具を定着させる手法で作品を制作しています。動きを留めない水の流動的な流れがひとつひとつの作品の顔を変えていきます。

現代美術二等兵(MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w)スイーツコラボ
お菓子の中の駄菓子のように現代美術の中に駄美術が存在してもいいのではという発想をもとに、クスリと笑える作品を作り続けています。

打ち合せ風景

打ち合せ風景

上記3名のアーティストに声をかけ、5月中旬からホテル側と打ち合わせをおこないました。
両者の意見交換をおこない改良に改良を重ね、ついに商品が完成いたしました!

その商品がこちらです。

〈カクテル名「view」:岡本啓×岩本龍弥(バーテンダー)〉

カクテル「view」

デザイン監修:岡本啓 制作:バーテンダー 岩本龍弥 協力:Yoshiaki Inoue Gallery・ART OSAKA実行委員会・ホテルグランヴィア大阪 写真:待夜由衣子/Yuiphotop

比重の違う素材を使用し、視点や見方(view)で変化する様々な色合いをお楽しみいただけます。色の変化で味も変わるのでそちらも注目。グレープフルーツを用いておりフルーティーな味わいは暑い夏を涼しげにするにはぴったりです。

〈カクテル「清流」:川北ゆう×大崎寛惟(バーテンダー)〉

カクテル「清流」

デザイン監修:川北ゆう 制作:バーテンダー 大崎寛惟 協力:サードギャラリーAya・ART OSAKA実行委員会・ホテルグランヴィア大阪 写真:待夜由衣子 / Yuiphotop

川北氏の作品が持つ清らかな「水」のイメージからつくられたカクテル。不規則に広がる青い流れの拡張と波紋の余韻を楽しんでいただけるよう、ブルーのシロップをお客様自身で注いで頂きます。透明とブルーの色合いで見た目は爽やか、味も女性に飲みやすくつくられております。

〈スイーツ「プラモすいーつ」:現代美術二等兵×西山満雄(パティシエ)〉

スイーツ「プラモすいーつ」

デザイン:現代美術二等兵 制作:パティシエ 西山満雄 協力:MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w・ART OSAKA実行委員会・ホテルグランヴィア大阪 写真:待夜由衣子/Yuiphotop

プラモデルのようにスイーツを部品に見立てた作品。お客様自身で自由にスイーツを組み立ててお楽しみいただけます。タルトにはパッションフルーツのクリームやムースが用いられており、夏を感じていただけます。

初の試みとなる今回のコラボ、どのような商品が生み出されるのか、
わくわくしておりましたが、素敵な商品が誕生しました。
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<コラボ商品情報>
カクテル
販売場所:ホテルグランヴィア大阪19階 BAR「SAND BANK」
期間:7月1日(火)~7月13日(日)
価格:1,850円(税金・サービス料込)
取り扱い数:1カクテル毎 各日15個

スイーツ
販売場所:ホテルグランヴィア大阪19階 Lounge「River Head」
期間:7月11日(金)~7月13日(日)
価格:1,850円(コーヒーor紅茶、税金・サービス料込)
取り扱い数:15セット

※フェア会期中に限り、ART OSAKAの入場券のご提示で優待料金でご利用いただけます。
【優待価格】カクテル:1,850円→1,480円、スイーツ:1,850円→10%off
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暑い夏の日のひとときに、
フェアでちょと一休みしたい時に、19階へ足を運んで
期間限定・数量限定のコラボカクテル&スイーツをご賞味ください。

Text :鈴木香澄(ART OSAKA 事務局)

『京都市立芸術大学 アートで目覚めるvol.2』 長谷川由貴×井上佳昭(ヨシアキイノウエギャラリー)

 

長谷川由貴《密やかな幻視》2014|油彩、キャンバス|194×324cm ©Yuki Hasegawa

長谷川由貴《密やかな幻視》2014|油彩、キャンバス|194×324cm ©Yuki Hasegawa

《密やかな幻視》

井上:京都市立芸術大学(以下、京芸)の作品展で、長谷川さんの《密やかな幻視》をはじめ数々の作品を拝見した時、こんなに森の深い所は日本ではそんなに無いので、オリジナルでイメージした像をつなぎ合わせた想像上の森を描いているのかなと思いました。作品からはすごく強い磁場のある、且つやわらかいオーラを感じて惹き付けられました。

長谷川:ありがとうございます。

井上:ご自身で行かれた沖縄の久高島を描いていた事は後から資料で知り、自分でも調べてみたら、すごい所なんですね!僕も沖縄は好きで何回か行っていたけど、久高島のような聖地がある事を初めて知りびっくりしました。琉球王国の中の一番大事な所だったみたいですね。

長谷川:そうですね。あの島を作ってから沖縄本島が出来たと、神話の成り立ちからそうなっているので、すごく重要な場所であるようです。

井上:男子禁制の場所もあるとか。

長谷川:この久高島自体、母系一族が権力を持ち、男性よりも女性の方が共同体の中で出来ることが多かったそうです。

井上:男は外で働いて?

長谷川:はい、島に残された女性同士でさらに共同体を作り、彼女達が祈りを捧げたりする場所が重要な聖地になっています。ここは何か違うなと感じる場所がたくさんあって、写真もいっぱい撮って帰ってきました。それから詳しく調べていったら、昭和の頃には岡本太郎さんもこの島には行っていたと…。

井上:そうそう、雑誌などに発表されて、実はそのために風葬が無くなったそうですね。

長谷川:これはもの珍しいんだと島の人達が気付いてしまったせいで、いくつか取りやめになった風習もあるみたいです。そのせいか、あまり観光には積極的じゃないのかなと、ちょっと思いました。

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アーティストとしての原点/体験を見せたいという事

井上:長谷川さんはどうしてアーティストを目指そうと思ったの?

長谷川:私はずっと絵を描く事が好きだったので、漠然と芸大に入りたいと小さい時から思っていました。両親がそういう学校があると教えてくれて。芸大に入り美術教育を受けていると、他の事に全く興味が向かなくなっていって、アルバイトやいろいろと体験もしてみるんですけど、やっぱり長時間は出来なくて。制作している時だけは、ご飯を我慢してでもいくらでもやろうと思えるんですが。

井上:絵はものすごく上手かったの?

長谷川:どうなんでしょう…。

井上:僕も絵は好きで、小さい時には皆と一緒でマンガとか描いていたりしていたけど、どうしても勝てないなと思う上手な子達がやっぱりいたからね。他のアーティストに聞いても「自分はずばぬけて上手かったです」って言うよ。

長谷川:私はあまり活発なタイプではなかったので、一人でずっと絵を描いてるのが楽しいというのもありました。実家は大阪なのですが、わりと田園地帯の場所で、小・中学校に行く時も田んぼ道をずーっと歩いて行っていました。電灯があると稲の発育が悪くなるので、夜もライトは点々としかなくて…。学校から帰って来る時など、太陽が沈んで空の色がずうっと変わっていって、星がだんだんと見えてくる様子を、何だか不思議な感じがするなぁと思いながら見ていたんです。その後そんな事はすっかり忘れていたのですが、聖地のような場所に行くようになって、あの時に感じていた不思議な感覚を思い出すようになりました。たぶんその幼い時が、自分の中にある回路のようなものが目覚めた原点だったのではないかと。

大学院を含めて京芸に通っていた6年間は、ずっと自然の持っている超越的な力というものに興味があって、それを追い求めてマニアックな神社に日本中あちこち行って、神秘的とはどういう事なんだろうと体感しながら作品制作をしてきました。自然の力というものと、その体験を見せる事が自分の中のコンセプトであるというか、やっぱり体験を見せたいという事がずっと一貫してある感じですね。

井上:それはアートとして、非常に重要な部分じゃないかなと思いますよ。

長谷川:日本の古代の自然信仰や神道などからテーマを持ってきて描いていた時期もありましたし、遠野物語を読んで民俗学的な伝承から作品を描いてみるとか、もっとキャラクター的なものが出てくる作品も描いたりしていたんですが、突き詰めていくとどの時代も結局は、自然を人格化していたり、こういう現象はこういう神様という風にして名前を付けていたりするだけだなと思ったので。それらの根本として、日本各地に残っている聖地のように言われている場所に実際に行ってみて、其処がどうであったかを描くというのが、今の一番のテーマですね。

 

『ART OSAKA 2014』に向けて

井上:今回、作品を選ばれてどのように感じましたか?

長谷川:今まではギャラリーや美術館とか、美術の場所のために飾る前提で制作をしてきたので、今回はホテルという環境をいただきもっと生活に近い場所に作品があっても良いものだったんだと、考えるきっかけになりました。

井上:ホテル自体、旅行に行った人がそこで生活する場所とも言えるからね。長谷川さんの絵があって全然おかしくないし、特別な場所を描いているアートの素敵なオーラをもらえるならば、そのホテルに泊まる価値も上がるよね。ちょうど今、このギャラリーで展示している井上廣子さんは、森を通して命の循環や自然と人間との共存の歴史を表現し未来へのメッセージとして残そうと、彼女の考える「森」をインスタレーション作品として表現しています。長谷川さんの作品も、久高島の森を作品に描いて見せてくれる事で、僕らが知らなかった場所に新しく気付かせてもらうという、アートにとってすごく大事な所が共通しているんじゃないかなと思います。

長谷川:全国的にも、時代によって社殿を建て替えてしまった神社とか、歴史が積み重なっていくうちに忘れられてしまっていく場所がたくさんあって、不必要な情報を取り払いながらどこまでプリミティブなものに近づけるかという事をずっと大切にしようと思います。

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自分が「パワーがある!」と思ったものを

井上:最後に、これからの展開とどんなアーティストになっていきたいか、教えてください。

長谷川:そうですね。作品から何かが伝わるという事が一番重要だと思っているのですが…。でも、モチーフにしている場所に人を連れて行って直接体感してもらう方がいいんじゃないか、という部分を超えられる作品が自分にはまだ出来ていないので。私自身の体験を通じて描かれた絵と両方を比較した時、どちらも良いなと思えるような状態になっている作品を一番に目指して、それがとにかく出来るようになりたいと思っています。なので、自分が「パワーがある!」と思ったものをどれだけ画面に落とし込めるかをずっと研究して、描き続けていきたいです。

井上:アートというのはコミュニケーションの手段でもあるので、僕らの知らなかった場所を絵画として見せてもらって、その中に長谷川さんを通じて込められた何かを感じて、自分もまたそこに行きたいと思うのは素敵ですよね。

長谷川:私の作品を見ていただいて、さらにはその場所に行ってもらった時に、私が「あっ」と思ったあの回路みたいなものが、見た方の中にも通ればいいなと。皆の体の中でどこかに眠っているはずの神経みたいなものを呼び起こせたらと思います。いずれは外国のいろいろな土地も見て、日本との違いをどう感じるのか、その土地ごとの神聖な場所、いろいろな宗教における重要な場所も巡ってみたいという思いもあります。

井上:ぜひとも、これからもがんばって描いて、いろんなものを見せてください。『ART OSAKA』での展示も本当に楽しみにしています。今日はありがとうございました。

長谷川:ありがとうございました。

インタビュー収録:2014年5月2日、ヨシアキイノウエギャラリーにて 編集・文:大場美和/撮影:室谷智子

インタビュー収録:2014年5月2日、ヨシアキイノウエギャラリーにて
編集・文:大場美和/撮影:室谷智子

 

長谷川由貴略歴

1989年大阪府生まれ。2014年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画修了。2014年「punto」オープンスタジオ(京都)、2013年個展「あなたが私のすぐそばにいることを本当はとてもよく知っていた」京都市立芸術大学小ギャラリー(京都)、グループ展「△のリンゴ-この世界を変える4つ目のリンゴについての仮説-」StudioJ(大阪)他。

『京都市立芸術大学 アートで目覚めるvol.2』 松平莉奈×加藤義夫(加藤義夫芸術計画室/ART OSAKA実行委員)

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私の「日本画」とは

加藤:『京都市立芸術大学アートで目覚めるvol.2』展の準備のために、今年2月の京都市立芸術大学作品展へリサーチに伺わせていただいたのですが、その時、松平さんは圧倒的に上手いからびっくりしたんですよ、ずば抜けていたので。

松平:ありがとうございます。

加藤:『ART OSAKA』は、コンテンポラリーアートと言われる現代美術をメインに展開するアートフェアです。そこで、日本画家としての松平さんに敢えてお伺いしたいのですが、現代美術に対してはどんなイメージを持っていますか?好きな作家などはいるでしょうか?

松平:一番好きなのは、高嶺格さんです。あとは、ソフィー・カルさんとか。

 加藤:彼らの作品は琴線に触れるというか、いいなーっと思うんですか?

 松平:人を扱っている作品だったり、物語性が強い作品が好きですね。物語ということについては、最近すごく気になっていて、自分の中で必要としているんだと思います。

加藤:ポートフォリオを見せていただいて、エゴン・シーレやウィーン世紀末の絵画をイメージさせる画風でいらっしゃったんですね。そもそも彼らは琳派に影響されているので、当然の如くかもしれません。しかしこの一年間に松平さんの制作スタイルは、より日本画的な手法や方向に打ち出していくよう大きく変わったように見えますね。
松平さんは、数年前のインタビューでは「自分の中の「日本画」というのを1つ見つけて、そこから日本画の良さも含めて発信していこう」と仰っていましたが、実際に勉強を重ねた今、あなたにとっての日本画とはどのような存在と言えると思いますか?

松平:今は「日本画」と敢えて自分で名乗る事で、これまでずっと続いてきた絵画であり伝統とも繋がるという意味で、こだわってみようと思っています。時代は違うけれど同じ立ち位置でいるんだ、と

加藤:日本の大和絵から続くような、日本画の流れの中の脈々としたものを受け継いで現代に、と?

松平:そうですね。日本の絵師達はずっと横のつながり持って、外の世界を見ていたわけで、そういうものの見方をしていきたいと思っています。「日本画」と名乗りながらも、現代美術の分野で活動している方々と同じように世界を見て、自分の技法で作品に落とし込み、シンプルに絵を描くという当たり前の事をしていきたいんです。                この一年で、自分では何が変わってきたかというと、日本画の素材に一番合う、素材が活きる描き方を探していくうちに自然とここに行き着いて、すなわち伝統的な描き方に還っていくことになりました。

加藤:なるほど。その立ち位置から、ご自身の「日本画」の未来についてはどういう風に考えておられますか?

松平:最近の考えでもいいですか?

加藤:もちろん。

松平:特に私が共感するのは歴史画家なので、史上のある場面を絵図の中に、いろいろな物語性を込めて、その時代々々の作家の思想も造形的に表していけたらと考えています。

松平莉奈《一休森女伝》2014|紙本着色|137.9×76.5cm, 137.9×46.4cm, 137.9×71.0cm ©Rina Matsudaira

松平莉奈《一休森女伝》2014|紙本着色|137.9×76.5cm, 137.9×46.4cm, 137.9×71.0cm ©Rina Matsudaira

《一休森女伝》

加藤:では、大学の作品展に出されていた《一休森女伝》には、どのような松平さんの思想が込められているのでしょうか。

松平:この作品では、まずマイノリティーについて描きたいという思いがありました。私がコンセプトとしている事は、他者という存在をどこまで想像するか、なのです。自分と他者との間の距離感に興味を持ちながら制作していて、人と人との関係にずっと興味があったので、実は去年の夏から半年間、身体障がい者の方の介助の仕事を始めました。抱き上げたり、体を支えたり寝かせたり、仕事の間はずっと身体と身体が近い状態でその方と接していろいろな動きをします。相手のバックグラウンドや指示を洞察して、自分はこういう行動によって応えようと考えていく。そういう仕事場を経験しました。

加藤:他者というのは、自分と誰かというところの距離感なのでしょうか。それとも差異という意識が強いのですか?

松平:他人の事は完全には理解出来ない、理解し合えない存在だという事を前提に関係を築いていく。それが今後はより必要なのではないかと思っています。今はインターネットもあるし、知ろうと思えばどこまでも情報を追って知っていけるような錯覚に陥りますが、実は物理的な距離が近くても絶対に解り合えない方が自然ですよね。日本画の場合、たとえば線が一本にまとまっていたり、一つの面に形を納めたりだとか、ものすごく表現が限られていて、抑えられている。その中で私は何を語れて、人は何を見て取るのだろうかと。そこに、私が「日本画」と呼んでやっていくことの意義も感じています。

加藤:よく分かります。

松平:この《一休森女伝》に登場するのは、もちろんあの有名な一休さんと、森女との二人です。一休は晩年の10年間ほどを、森女という目の見えない女性と共に暮らし、彼女に菩薩を見るまでに神聖化していたと言われています。たくさんの詩や衝撃的な愛の描写に至るまで、さまざまな記述が残され今に伝わっているのですが、でも森女の方はどうだったのか?彼女の心中に深く降りていった形跡や文献は全然無いんです。それからいろいろと調べていって、森女が描かれた絵が一つだけ、《一休宗純と森女図》という掛け軸が正木美術館にある事を知りました。円相図として一休が上の方に描かれていて、円の外側の下の方に、上げ畳に森女が座っているという絵です。視線は互いに合っていないし、円の内と外という構図からも、2人の間にはすごく断絶があると一目で分かって、「ああやっぱり」と思いました。そして、この絵を描きたい!と思い付きました。文献が少ない分、私の中では森女の方がすごく想像してしまうというか、共感出来る存在だと思えたので、彼女を主役にしています。

加藤:松平さんが「一休と森女」という過去の物語を咀嚼して、自分の世界観を一つここに出そうとされたんですね。

 

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『ART OSAKA』と、これからのテーマ

加藤:今回の『ART OSAKA』での展示では、ちょうどこの部屋を使う予定なんですよね。

松平:はい。今日は下見も兼ねてこのホテルに初めて来させていただいて、すごくきれいで心地良い空間だと思いました。この空間と、絵のある形という両方の心地良さを、来てくださった方々には目で見て体感していただけたらなと思います。足を踏み入れるだけで光が差し込んで、ハッとした気持ちになると思うので。

加藤:さきほど、ご自身の日本画の未来についてお伺いしましたが、具体的に考えておられることはありますか?

松平:今は、それこそ一休の時代であったり、すごく中世に興味があります。

加藤:その辺りの事は調べたり、研究したりしようと思っていると?

松平:江戸時代以前の日本の絵画の中で行われてきた表現がすごく新鮮で、今もう一度この心境というものが必要なのではないかと。感覚的でしかないんですがそう考えています。夢と現実の境目など、そういうものを単純に記号的に分けて考えている事を見直したいというか…。それが、次のテーマになっていきそうです。

加藤:それはぜひおもしろそうです。これからも応援したいと思っています、ぜひ頑張ってください。

松平:ありがとうございます!

インタビュー収録:2014年4月27日、ホテルグランヴィア大阪・6210号室にて 編集・文:大場美和/撮影:室谷智子

インタビュー収録:2014年4月27日、ホテルグランヴィア大阪・6210号室にて
編集・文:大場美和/撮影:室谷智子

松平莉奈略歴

1989年兵庫県生まれ。2014年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻日本画修了。2014年「punto」オープンスタジオ(京都)、個展「未だ見ぬ熱帯」ギャラリーモーニング(京都)、2013年シェル美術賞展2013入選、京都銀行美術支援制度 2013年購入作品選抜、グループ展「△のリンゴ-この世界を変える4つ目のリンゴについての仮説-」StudioJ(大阪)他。