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コラボカクテル、7月1日(水)より販売開始します!

いよいよ来週7月4日(土)に開幕する「ART OSAKA 2015」。それにあわせて、ホテルグランヴィア大阪では「ART OSAKA 2015」限定宿泊プランを販売しております。

その宿泊プランの特典のひとつが、コラボカクテルです。グランヴィア19階にあるバー「SANDBANK」のバーテンダーの方にご協力を頂き、「ART OSAKA 2015」のロゴマークとテーマカラーをイメージした、美しいカクテルをつくって頂きました。色とりどりのフルーツが輪の重なりを表現、グレープフルーツをベースとした爽やかな味わいで、夏にぴったり!うーん、おいしそう!

ART OSAKA 2015 オリジナルカクテル photo:待夜由衣子/Yuiphotop

ART OSAKA 2015 オリジナルカクテル
photo:待夜由衣子/Yuiphotop

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コラボカクテルは、7月1日(水)~5日(日)の5日間限定で、1850円にて販売いたします。ART OSAKAにご来場くださったお客さまは、会場にて設置しておりますクーポンにて、コラボカクテルを20%オフの1480円にてお楽しみ頂けます。(クーポンではほかに、ホテルの飲食料金が10%オフになります)

夜景も美しいバーで、フェアの余韻に浸りながら、素敵な時間を過ごされてはいかがでしょうか?

宿泊プランではほかに、限定トートバックやギャラリ―ガイドブックの特典がついております。まだ空きがございますので、ART OSAKA目的の方はもちろん、大阪観光をお考えのお客様のお申込み、お待ちしております。事務局一同、自信をもっておすすめいたします!

『SANDBANK』URL:http://www.granvia-osaka.jp/restaurant/top.php?i=7

宿泊プラン:http://www.granvia-osaka.jp/stay/plan/detail.php?i=184

text:川西遥(ART OSAKA事務局)

トークイベント「あらたなる抽象絵画論ーイメージと空間」を終えて

さる6月21日(日)15時〜大阪府立江之子島文化芸術創造センターにて、ART OSAKA 2015関連トークイベント「あらたなる抽象絵画論ーイメージと空間—」を開催いたしました。40名強のお客様にご来場頂き、誠にありがとうございました。

本イベントは、フェア期間中におこなう特別展「反撃!抽象絵画」に向けてのプレイベントという位置づけで、いま抽象絵画にはどのような可能性があるのか、本展キュレーターの加藤義夫氏をモデレーターとして、出品作家のうち5名、木村秀樹氏、東島毅氏、北𡌛吉彦氏、中川佳宣氏、寺島みどり氏にお集り頂き、ともに語って頂きました。

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まずは、加藤氏からの趣旨説明と、それぞれの自己紹介から始まりました。ひとえに抽象絵画といっても、問題意識や制作テーマはそれぞれ異なっています。

たとえば東島氏は、屋外で作品を上向きに設置し、雨が降ったあとの水たまりや積雪をも作品の一部とするような、スケールの大きな作品を数多く制作されていたり。

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北𡌛氏は一見同じような表面のものでも、よくよく見れば異なる素材やかたちの重なりでできている、という面白さを、一色の絵具をつかいながら、パターンで描き分けておられたり。

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紅一点の寺島氏は、当初の鮮やかな色を用いた作品から、出産などを経験されたことで「色に頼る」ことを考え直し、グレーを用いた作品に移行したり。

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答えのない(作家の数ほど答えのある)テーマではありながら、「イメージと空間」というテーマでの討論会では、木村氏から版画と絵画の関係性についてや、中川氏から枯山水など見立てを古くから取り入れてきた日本人独自の「見る力」が、日本の抽象絵画の根本にあるのではという発言があり、とても興味深いものでした。

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限られた時間のなかでもっともっとお話を聞きたいと思ってくださった方もいらしたかと思いますが、ぜひフェアに足を運んで頂き、特別展「反撃!抽象絵画」を目撃頂ければ幸いです!

text:川西遥(ART OSAKA 事務局)

ラウンジパートナー:MERRY TIMEのご紹介

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ART OSAKA 2015 では、フェア会場の26階の一室に、来場者にご休憩頂ける「ラウンジ」が登場します!!ラウンジのホストは、MERRY TIME さん。今話題の「サードウェーブコーヒー」をはじめサンフランシスコのコーヒーロースターを日本に紹介されています。

MERRY TIME のお二人 山田さん(Ms.)と小川さん(Mr.)

MERRY TIME のお二人
山田さん(Ms.)と小川さん(Mr.)

MERRY TIME さんは、これまで、ショップのオープニングやファッションイベントの数々で、美味しいコーヒーのケータリングをしています。そんな MERRY TIME さんとART OSAKA が 初コラボです。 ART OSAKA へのケータリングに向けて、暖かいコメントを寄せてくれました。 「MERRY TIMEは、コーヒーを通じて人と人がつながる時間。私達はそんな時間をつくり、つくる人を増やし、感謝しあうことが自然な世界をともに育みます。サンフランシスコのロースター、Fourbarrel Coffee(フォーバレルコーヒー)のコーヒーを、あなたのために一杯ずつドリップします。アートとコーヒーという異なるものが重なり合い生まれる化学反応をともに感じましょう。」

ファッション誌JJさんの40周年イベントの様子 2015.05

ファッション誌JJさんの40周年イベントの様子 2015.05

ヘアサロンLIM さんのオープニングの様子 2014.12

ヘアサロンLIM さんのオープニングの様子 2014.12

フェア当日は、ドリップしたてのコーヒーをHOTとICEで販売いたしますので、お楽しみに。 そしてお二人の優しいご理解ご協力で、コーヒーが苦手の方のためにも、緑茶やハーブティもご用意予定です。感謝。 購入する作品に迷ったら、アートとコーヒーが交わるラウンジで、ちょっと一息いれてみてはいかがでしょうか? ART OSAKA 目当てでなく、MERRT TIME ファンの方もいらっしゃるかも?! もちろん大歓迎です。

MERRY TIME  official ウェブサイト  http://merrytime.tokyo

text:宮本典子( ART OSAKA 事務局  )

『京都市立芸術大学 アートで目覚めるvol.2』 髙木智子×松尾良一(TEZUKAYAMA GALLERY/ART OSAKA実行委員長)

ART OSAKA 2014 企画展
出展作家インタビュー 『京都市立芸術大学 アートで目覚めるvol.2
髙木智子×松尾良一(TEZUKAYAMA GALLERY/ART OSAKA実行委員長)

《Trio》2014|油彩、キャンバス|230×332 cm  ©Tomoko Takagi

《Trio》2014|油彩、キャンバス|230×332 cm ©Tomoko Takagi

《Trio》—この一年の制作について

松尾:今年も去年も、京都市立芸術大学の作品展では髙木さんの作品を拝見して、「あっ!」と印象に残るものがあるんですよ。あまり頭でいろいろ考えてというよりも、直感的に良いなと感じて入っていく事が僕自身は多くてね。コンセプトを聞いてなるほどと思う事もあるんだけど、やっぱりパッと見て「あーいいな!」と。

髙木:ありがとうございます。この一年間は、自分がどういう事をしたいのか、学部生の4年間でやってきた事との繋がりなどを言葉に置き換えていく作業が続いていたんです。2月の作品展では、それをやっと絵の具に置き換えて少し納得がいくようになってきたところでした。

松尾:じゃあ、コンセプトよりも、例えば、制作の技術的な事に集中されていたとか?

髙木:そうですね。色の事とか、絵の具の事とか、これまでは無関心だったところも掘り起こしてみたりして…。モチーフ自体は、何かモノを描きたいという思いは変わらずにあるので、それを抽象みたいに出来ないかなと思って。

松尾:身近なというか、京都で歩いているとモチーフになるものがある、と仰っていましたよね。

髙木:出来るだけカメラを持ち歩くようにしていて、「あーなんか気になる!」感じるものをいっぱい撮りためているんです。どうやら自分には、人が飾っているものとか、自分が並べたものではない状態の色の組み合わせに、「なんだこれは」と反応しているところがあって。それは描くモチーフを選ぶ基準にも繋がってきています。

松尾:作品展で出品されていた《Trio》という作品は?

髙木:これは、丸亀のお城の下でやっていた盆栽展の中で見つけた3体の人形の飾りが元になっています。普通に真面目な盆栽が並んでいるのですが、いくつかは不思議な飾りがされている盆栽もあったんですよね。なので、人形とかモノの位置関係はすごく忠実です。

松尾:不思議やな(笑)。

髙木:今は、同じモチーフを何枚か描き続けるように制作しています。一枚つくってから、次はもっとこの部分を伸ばそうとか、構図は縦にする方がいいかなとか、焦点のピント位置をずらしたりと、描いていく中で次のアイディアが具体的に現れてくる感じです。

松尾:色の使い方が独特ですよね。色目の濃淡がけっこう好き。

髙木:透明のメディウムに絵の具をちょっと混ぜて、白の下地にのせると透明色がぐわっと出てくるので気持ち良いんです。

松尾:モチーフを撮りためた写真にも、もともとカラーという色味があるじゃないですか。実際に描く時には、自分で目標としている色にモチーフの色を変化させて近付けていくのか、それとも、キャンバス上で偶発的につくりながら決めていくのですか?

髙木:描きながら目の前で混ざり合って、いい感じだなあと思う事ももちろんあるのですが、たいていは絵の具をあまり混ぜないので、この色をと自分が思うものを先に決めて描いています。最近は下地を白色ではなくピンク色か緑色の2パターンでつくり、その上に描き始めていくようにもしていました。

松尾:画面構成は、全く違う写真の場面から組み合わせてつくり始めてもいるようですね。

髙木:はい、それもやり始めています。描かれているものが何であるのか、パッと見えてしまう事から逃れたいと思っていて…。他にもシンメトリーな構図にしたりだとか、どんなふうに絵の具を動かして物質感をコントロール出来るのか、いろいろと試し中です。油絵の具は透明にも不透明にもできるし、一番薄い状態からすごく分厚いところまで幅をもたせられるのが…。

松尾:すごくフィットすると?

髙木:そうです(笑)。takagi_matuo

 

物がどう見えるのか、を考え直す

髙木:実は、いろんな大人の人に聞きたいと思っていることがあって…逆に質問させていただいても良いですか?

松尾:お、何かありますか?

髙木:えーと、学生くらいの時に、大人になったらいろんな事が全部分かるようになって、何でも理解できているようになるのかもって、思っていた気がするんです。そういうふうに思った事って、松尾さんにもありましたか?

松尾:まあ、あったんじゃないかな。子どもの頃とか、そう思っていたかもしれない。

髙木:で、でもどこかで全部は理解し切れないんだなと気付いた時には、どう思いましたか?

松尾:世界って広いなあ、って思った。僕ね、25歳くらいでこの仕事を始めて、最初はアートビジネスなんて自分で全部出来るんじゃないかって思っていました。漠然と、世界で一番になれるんじゃないかっていうくらい(笑)。それは大きな間違いだなというのは、人生もそうだけど、この世界も仕事も知れば知るほど深くなっていくわけ。子どもの頃は学校で一番だったら、世界で一番ちゃうか!ぐらいに思っているけどね(笑)。歳をいけばいくほど、自分の小ささを感じる。無力さというか、こんなもんなんやなーみたいになってくる。でも、それでいじけるんじゃなくて、もうちょっと頑張ろうってね。

髙木:続くんですね。

松尾:続くよ。

松尾:本当は結構ね、何でも分かった気になって天狗になっている人も居ると思うよ。でも人間って、「うわぁ、俺ってもっと頑張らな!」って思っている方がやる気が出るんじゃないかな?あと、周りの仲間や友だちを見て、「あいつも頑張っているから、俺も!」とかね。

髙木:この話とはあまり繋がっているように思っていただけないかもしれないのですが、最近、物がどう見えるのかという事をもう一回きちんと考えてみようと思っているんです。かつて浪人している時には「デッサンはこういうふうにするんだよ」と、既に出来上がっている方法でいろいろと教わったりもしたんですが、本当は物を認識するのってそういう事じゃないよなーと。自分が描いているものが、立体感や空間のパースペクティブをちゃんと出すというわけでもないので、改めて、じゃあ何なんだろう?と。

松尾:物の対象の見方として、どういうふうにしていくかという事は、作品を描くにあたっての一つの自分のスタイルでもあるだろうし、同時にコンセプトでもあるだろうし…。自分の精神のどこかにそういう思いを持っている事が、直接的では無いかもしれないけど、いずれ間接的にでも、髙木さんが描く何かに現れて出て来るかもしれないね。例えば、そういう自分の表現を文章や言葉に出来るのなら、出来るほうが良いし必要だと思う。

髙木: はい。やっておきたいですし、出来るようになりたいですね。どう見ようかなと、どう描こうかなとは、やっぱり自分の中で繋がっている事なので、模索中ではありますが…。それから、盆栽の中の人形もそうですが、人が飾っている物を描くのは、私にとってある種の理解できない事として興味を持っているからではないかと思うんです。世界の全てを理解し切れないのだとしたら、自分の身の回りの小さい関係を確かめていくしかないので、私は描いていく事で、もう一度世界のいろいろな物事を見ていくのだと思います。

松尾:来年春の卒業後、アーティストとして活動していくにあたって、具体的なイメージはありますか?

髙木:すごく漠然とはしていますけど、住むところと描くところをちゃんとする、というくらいでしょうか。いまは制作を集中してできる場所にいるので、描く内容と絵の具のことをずっとやってはいますが、なぜこれを描くのかという部分をまだまだ考えたいです。発表する場所は、気になったら何でもやろうという思いは常にあります。

松尾:「ART OSAKA」では、新作を?

髙木:はい。

松尾:ぜひ楽しみにしています。

髙木:ありがとうございます。
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インタビュー収録:2014年5月12日、TEZUKAYAMA GALLERYにて
編集・文:大場美和/撮影:室谷智子

 

髙木智子 略歴

1989年千葉県生まれ。現在、京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画在籍。
2014年京展にて市長賞・京都市美術館賞を受賞。昨年の『ART OSAKA』企画展にも出展。
個展:2014年ギャラリー恵風(京都)2013年ギャラリ−モーニング(京都)他/グループ展:2013年「アートアワードトーキョー」行幸地下ギャラリー(東京」他。

『京都市立芸術大学 アートで目覚めるvol.2』 前谷康太郎×細川佳洋子(ギャラリーほそかわ/ART OSAKA実行委員)

ART OSAKA 2014 企画展 出展作家インタビュー 『京都市立芸術大学 アートで目覚めるvol.2 前谷康太郎×細川佳洋子(ギャラリーほそかわ/ART OSAKA実行委員)

前谷康太郎《further/nearer》2013|ビデオインタレーション|2分(ループ)、サイズ可変(スクリーンサイズ180×240 cm) |梅香堂(大阪)にて ©Kotaro Maetani

前谷康太郎《further/nearer》2013|ビデオインタレーション|2分(ループ)、サイズ可変(スクリーンサイズ180×240 cm) |梅香堂(大阪)にて ©Kotaro Maetani

《further/nearer》‐作品のバイオリズム

細川:私が最初に前谷さんの作品を拝見した時は、まだ京都市立芸術大学(以下、京芸)には入学されていなかった頃だったんですよね。既にテクニカルな事も勉強して完成度の高い仕事をされていて、抽象的な映像作品でしたし、強く印象に残りました。その後に、なぜ改めて京芸に入ろうと思われたのでしょう?外語大に在籍されていた時からビジュアルアートには興味があったのですか?

前谷:それは大学に入る以前からですね。ただ、進学校の高校だったので画塾に行く時間は無かったですし、父親にも「美大」とポロっと言ったら「ややこしいから、とりあえず外語大に入りなさい。美大に入ってもいいけど、その後にしなさい。」と言われて(笑)。

細川:では、お家の環境はとしては、美術や美大に対しても寛容だったんですね。

前谷:はい、そうだと思います。

細川:映像の構造的な理論について私は詳しく分かっていないところもあるのですが、ずっとこれまで見て来た中で、前谷さんの作品は映像そのものというよりも、一種の宗教的なものに包まれるような圧倒感があります。例えばロスコーのような…そういう絵画的なイメージにも当てはめてみたいなと思うのですが。

前谷:たしかに動画である一方、没入すると静止画を見ているような気分になるところがあります。変化がとてもゆっくりで、残像が目に焼き付くせいだと思いますが、その目に焼き付いた静止画としての残像と、スクリーン上で進行している動画が重なる感覚というのは、他の映像作品でも絵画作品でもないものだと、他の方からもつい最近そういう感想をいただいて、そんな側面もあるんだなと気付かされました。

細川:一つの鼓動というか、祈りと近いような静かに思考しているリズムとすごくリンクするような作品というか…。前谷作品のその動きは、仏教的な感じでもありますよね。私には、やはり生命のビビットなリズムじゃなくて、その狭間の沈思黙考の時の鼓動や脈と、前谷さんの映像作品とが同期するように感じられます。もっと極端に言えば、生と死の中間くらいのところの脈。

前谷:ありがとうございます、すごく嬉しいです。僕は小さい頃高野山で育った事や、仏教学者である父親の存在もあって、家では読経をして内省する時間を毎日持つようにしています。こういった習慣と作品のもつ波長との間には、潜在的なつながりがあると思っていて、それを見て取っていただけたというのは、とても感動的です。 関東のあるキュレーターの方が個展を見に来てくださった時、お忙しい時期ですごく疲れ果てていらっしゃったのですが、その状態の彼女自身のバイオリズムと作品《further/nearer》が鏡像のようにリンクし、浄化(カタルシス)を感じたそうです。細川さんのおっしゃった「生と死の中間くらいのところの脈」というのは、まさにこの方の例にあてはまる気がします。

細川:ある種すごく生命的なんですよね。

前谷:東洋思想にはもともと興味があって、外語大受験の際も最初はヒンディー語専攻を考えたのですが、父親が読めないアラビア文字が読みたいという、ちょっとした反発心から(笑)ウルドゥー語を選択しました。

細川:なるほど。そういうアジアの言語を選んでそれが今の前谷さんのお仕事に何か繋がっているというのはありますか?

前谷:あると思います。今回の『ART OSAKA』でも出展させていただく《further/nearer》は、焦点外の領域に目を向けた作品でして、世界の認識の仕方としてはかなり東洋思想的だと言えます。般若心経の中にも「それが何であるか、認識できるものばかりが全てではない」と説いている一説があります。実体が見える世界を、焦点があっている領域だとすれば、この作品はその世界と垂直に交差する光の可動域(実体の見えない、焦点外の世界)を表しています。そして多くの場合、前者よりも後者の方が広い領域を持っています。また、これは焦点の話よりも大きな話になってきますが、私たちの目も常に、見えていない世界の方が広いはずです。そういった領域の光を感じてもらうというのが、この作品の大きなテーマです。 maetani_hosokawa2

光を集める-映像の素材として

細川:以前に、後々田さん[※]が「これからあいつは光を集めに行くんだよ」と、前谷さんの事を仰っていたのですが、撮影のためには街の中へと光源を拾いに行かれるのですか?

前谷:そうですね、車で走って。そのお話しはちょうど昨年に光のロードムービーを撮っていた頃の事ですね。車の後ろに、敢えて不完全な像を結ぶようなオブスキュラを積んで走って撮影をしていました。 一番最初は、このオブスキュラと同じ構造の部屋を用意して、そこで夕日の光を採集していました。この、太陽光をサンプリングしたビデオインスタレーションからスタートして、その延長線上でいろいろな人工の光も使ってみたりしています。 外語大で言語学を勉強していた過程で、言語の持つ分節性は、多くのカット構成から成る映像においても見て取れるなと気付いて…音声言語における、音素に当たるものとして太陽光などのよりプリミティブな光を拾ってきて、それを構成要素に使おうと思ったんです(a light in memory(2011))。人工的な光を使う場合でも太陽光を想起させるような色彩を意識しています(further/nearer 2012, 2014(2012,2014))。

細川:暖色系の赤、オレンジ、黄色以外にも、ブルーの光の色の作品もありましたよね?

前谷:それは青空から採ってきた光ですね。

細川:なるほど。ちなみに、話が前後するのですが、後々田さんとの関わりは前谷さんが2010年に初めて此花メヂア(大阪)で個展をされた頃からだったのですか?

前谷:そうですね。その時は会って2回目くらいだったのですが、すごくダメ出しをされて、しばらく凹んで、個展終了後はしばらく梅香堂に行けなかったのですが、久しぶりに行ったらすごく喜んでくれて、「メヂアでの展示、うちでもう一回やらないか。新作じゃなくていい、ちゃんと見てもらえる形にしよう。」と言っていただいて実現したのが2011年の「(non)existence」展になります。

細川:今年2月の大学での作品展では、前谷さんの作品は一部屋をすべて使ってスクリーンに上映されていて、とても説得力がありましたよね。

前谷:実はそうした展示方法についても、後々田さんに強く勧められていた事でもありました。ただ、「やれ」とだけ言っておらんようになってしまったので、僕としても本当にやらざるを得ない状況になって…(笑)短い設営期間でのつくり込みはいろいろと厳しかったですが、自分の中でも大きなキーとなる展示になりました。

※後々田寿徳:大阪市此花区のアート・スペース「梅香堂」の堂主。2013年12月に永眠。福井県立美術館、ICCの学芸員や大学講師を経て、2009年11月に梅香堂を開設。築60年の倉庫を改修したオルタナティブ・コマーシャル・ギャラリーで、気鋭の若手作家を紹介し注目を集めた。  

前谷康太郎《further/nearer》2014|ビデオインタレーション|京都市立芸術大学・作品展にて ©Kotaro Maetani

前谷康太郎《further/nearer》2014|ビデオインタレーション|京都市立芸術大学・作品展にて ©Kotaro Maetani

これからの制作について

細川:今後は、どういう展開を考えておられますか?

前谷:とりあえずは目先の展示に追われていて何も考えられていないのですが、海外へ出た事が未だ無いので、挑戦したいなと思っています。

細川:もし行くとしたら、どういう国に?

前谷:美術をやる環境としてはドイツやイギリスが良いのかなとも思うんですが、制作そのものの展開を考えると、北欧などの白夜や砂漠の蜃気楼など、日本では到底見ることの出来ない光を使って作品を作れたらなとも思います。

細川:それは良いですね。他にも夕日の強烈な大自然の地だとか、たとえその地で作品発表が出来なくても、自然観や死生観が欧米とは全然違う所へ行かれる方が前谷さんの作品には上手くフィードバックされていくような気がします。

前谷:作品にとってはたぶん、本当に仰る通りです。

細川:前谷さんの強みの一つは、日本人である私たちが祈りに近いような状況にある時に呼応して、ヴァイブレーションを起こさせるという面白さだと思うので、そういう土壌のある日本以外の国で独自の表現をますます高めて無敵になっていって欲しいとも思います。期待していますので!

前谷:ありがとうございます。   DSC_0267as

インタビュー収録:2014年6月2日、ギャラリーほそかわにて
編集・文:大場美和/撮影:室谷智子

前谷康太郎

略歴 1984年和歌山県生まれ。2008年東京外国語大学、2010年IMI/総合映像大学、2014年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程を修了。個展:2013年 ICC(東京)、梅香堂(大阪/’11)、2012年CAS(大阪) 他 / グループ展:2014年「Future Tense」ヨシアキイノウエギャラリー(大阪)、2013年「Art Court Frontier」アートコートギャラリー(大阪) 他。

ART OSAKA 2014 の楽しみ方 鑑賞を超えて

ART OSAKA2013会場風景_ギャラリー空

ART OSAKA2013会場風景_ギャラリー空

今回のブログではもう目前に控えている、ART OSAKAをより一層楽しんで頂くためのAtoZをお届けします。

と、その前にそもそもアートフェアってなに??というところからお話しましょう。
アートフェアでは、普段美術館で見るような作家の作品が目の前に置かれ、作ギャラリストや作家が身近に作品を紹介しています。何と言ってもの醍醐味は、作品に価格が付いており、気に入った作品があればその場で購入出来ることではないでしょうか?

A. そもそもの所要時間は?
ART OSAKA では、53軒の現代美術ギャラリーが、ホテル客室をアートの溢れる空間に変身させています。企画展示やExhibition PLUSを合わせると、73roomで展示が行われています。1部屋3分でも、3時間では回りきれないボリュームです。
事前にパンフレットなどを入手できるのなら、予習をして、的を絞ってギャラリ−を巡るのもオススメですし、休憩を挟みながら時間をかけて巡るのもいいですね。

ART OSAKA2014公式リーフレット

ART OSAKA2014公式リーフレット

B.気になる作品があったら、実際に話を聞いてみよう。
例えば「この作家はどんな作家さんですか?」と。スタッフが経歴や作品のコンセプト(テーマ)などをお話してくれます。作家がその場にいた場合は直接お話することもできます。他のお客様と接客中などでなかなかタイミングがない時は、近くにポートフォリオと呼ばれる作家のファイルがあるかもしれません。手にとって自ら調べてみるのもいいですね。

C. 赤や、青いシールは何を意味する?
作品タイトルなどが書かれたシートに、赤いシールが貼ってあるのを目にすることがあります。 それはその作品が売約済みであることを意味します。青いシールは商談中です。
貴方がいいと思った作品を、他の誰かもいいと思われた証拠です。

D. 支払いはいつのタイミングでするもの?
作品を購入するというのは、はやりドキドキするものですね。でも購入したい作品に出会った時は、通常のお買い物のように「これをください。」とスタッフにお声がけ下さい。
支払いのタイミングは、小額でしたらその場の現金支払いで(ギャラリーによってはカード決済可能)、後日請求書払いも一般的です。
作品のお届けは、ご入金後、宅急便や美術専門の運送会社などがお届けします。
お近く場合、ギャラリストが作品設置も兼ねて直接納品に伺うことも可能ですよ。気軽にご相談下さい。

E. 疲れて来たら・・・・
ART OSAKA 2014 の入場チケットは、当日に限り再入場可能です。一旦会場を離れ、お昼休憩やお茶をして戻って来るのも良いアイディア!
ホテル19階にあるバー「サンドバンク」とラウンジ「リバーヘッド」では、アーティストとコラボした期間限定のカクテルとスイーツが販売中。詳細は前回のブログに記載しています。
ART OSAKA 2014 の入場チケットの提示で、10%の飲食代の割引サービスもおこなっております。

F. スマートにフェアを楽しむ
最後に、アートフェア来場の際の注意事項を少しお話します。
会場は多くの来場者で賑わい、隅々まで作品が展示されています。誤って作品に触れない為にも、荷物は軽くコンパクトにするのがオススメです。
作品の写真撮影は、著作権保護の関係から基本的にNGです。ただし、ギャラリーによっては撮影許可をしていますので会場内のサインに従って下さい。その場合もむやみに撮影するのではなく、一言断って撮影するのがアートフェアのマナーですよ。

ART OSAKA2013会場風景

ART OSAKA2013会場風景

以上、ART OSAKAを楽しむためのAtoZをお届けしました。
皆さまのご来場、楽しみにお待ちしております。

Text :鈴木香澄(ART OSAKA 事務局)

謹賀新年:ART OSAKA 2014

いよいよ、2014年がスタートしました。
今年は2月にはソチオリンピック、6月にはサッカーワールドカップなどスポーツも目白押しの年ですね。
アートの世界で言えば、今年はベネチアビエンナーレは国際建築展ですし、大規模な国際展がないのかなぁ、と思うのは早とちりでした。
国内では今年初開催となるの札幌国際芸術際が7月19日~9月28日まで予定され、第5回横浜トリエンナーレも8月1日~11月3日まで予定されています。アジアに目を向けると、現在~2月16日まで、シンガポールビエンナーレが開催されている他、秋には釜山ピエンナーレメディアシティソウルが予定され、また台湾でも台北ビエンナーレが予定されています。

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いつも ART OSAKA blog を見て下さっている皆様、
今年の新しいスケジュール帳に、7月12日、13日にART OSAKA とチェックを入れて下さいね。
そしてアートフェア+αとして、国際芸術祭に行ってみたり、美術館へ行ってみたり、ギャラリーへ是非足をお運び下さい。ちなみに兵庫県立美術館 では来る1月18日(土)より3月23日(日)まで、ポンピドゥー・センター・コレクション 展が開催され、国立国際美術館では、2月1日(土) から5月11日(日)までアンドレアス・グルスキー展 が予定されています。

ではでは今年もどうぞ宜しくお願い致します。

(参考)
世界中の国際展の情報が地理関係と共にまとめられているサイトが、横浜トリエンナーレのWebsite内にありました。ご興味ある方は是非こちらへ
http://www.yokohamatriennale.jp/international/index.html

text:宮本典子 / ART OSAKA フェアマネジャー

年末年始のご挨拶と新事務所のご案内

20131227

2013年も沢山の皆様にご支援頂きありがとうございました
新しい年が、皆様にとって幸多きものとなりますようお祈りいたします

年の変わりに一つお知らせがございます
ART OSAKA 事務局 が、2014年1月より下記住所に移転いたします
新しい環境を追い風に、新鮮な気持ちで業務に臨んで参ります
今後とも変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます

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新住所
大阪市中央区上本町西4-1-68
〒542-0062

New Address
4-1-68 Uehommachi-nishi Chuo-ku, Osaka
542-0062 JAPAN
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年末年始休業のご案内:休 12月28日(土)ー1月6日(月)
ART OSAKA Office closure : from 28th DEC to 6th JAN

ART TAIPEI 2013 レポート(前編)- ART TAIPEI とTAIPEI FORUM

フェア会場:台北世貿一館 / Taipei World Trade Center Hall 1

ART TAIPEI 2013 フェア会場:台北世貿一館 / Taipei World Trade Center Hall 1

11月7日(木) ー11日(月) の5日間、台北で開催された ART TAIPEI 2013 へ、視察に行ってきました。ART TAIPEI は今年20周年を迎えるアジアで一番長く続くフェアで、国内外から約150のギャラリーが出展しています。

ART TAIPEI 2013は、今年も活況で、その成功の秘訣は、台湾ならではの心のこもったポスピタリティとともに、台湾画廊協会の存在と芸術産経研究室 (Taipei Art Economy Research Centre) との共同、そして年々更新される運営組織の存在、そして経済局や文化庁、市など行政との連帯が挙げられるでしょう。

さて、ART TAIPEI のフェアディレクターは、台湾画廊協会の代表が担っており、3年に1度の選挙によって決まります。 今年から新しいディレクターに、Oliver Cheng 氏 (Chuan Cheng Art Center, Beijin) が就任し、その人柄からとてもユーモアと勢いのあるフェアになりそうです。ちなみに、Oliver Cheng 氏の Chuan Cheng Art Centerは、ART OSAKA 2012 にも出展されていたので、お会いしている方も多いかもしれません。

新しく就任した台湾画廊協会の 張逸群 / Oliver Chung 氏

新しく就任した台湾画廊協会の 張逸群 / Oliver Chung 氏

ART TAIPEI 2013 の展示ブース、約150の内訳は、近代美術系が30、現代美術系が110、写真や映像、インスタレーションなどの新しい表現に特化した “New Media”と呼ぶブースが6、等から構成されています。

その他、特徴的なのは”Young Artist Discovery” として若手有望作家にブースを提供しているところです(ただし作家個人の出展ではなく、ギャラリーが若手作家の個展として見せています)。主に台湾の、若手登竜門的な賞を受賞していたり、グループ展に出展歴のある作家を、作家略歴の掲載されたリーフレット(もちろんバイリンガル)と共に紹介しており、外国からの来場者の視点で見れば、台湾の若手作家の動向を見て取ることができる一角となっていました。

フェア会場: Young Artist Discovery ブース(緑)

フェア会場: Young Artist Discovery ブース(緑)

Young Artist Discovery ブース:張永達 / Yung-Ta Chang 作品 /  亜洲芸術中心 / Asia Art Center より出展

Young Artist Discovery ブース:張永達 / Yung-Ta Chang 作品,
亜洲芸術中心 / Asia Art Center, Taipei・Beijin より出展
東日本大震災時に、日本でレジデンスを行っていた経験から、制作された地震のデータを用いたメディアアート

New Media ブース:向文君 / Wen-Chun Hsiang 作品 /  芸星芸術中心 /  Star Gallery, Taipei より出展

New Media ブース:向文君 / Wen-Chun Hsiang 作品
芸星芸術中心 / Star Gallery, Taipei より出展
GPSを使って都市の生活領域を美的に映し出した作品

ART TAIPEI FORUM 会場:誠品百貨店  Presentation by  Director of Taipei Art Long-sheng Shih, Economy research Cente

ART TAIPEI FORUM 会場:誠品百貨店
Presentation by Director of Taipei Art Long-sheng Shih, Economy research Center

ART TAIPEI 2013 では、同時並行で ART TAIPEI FORUM「亜洲価値 / ASIAN VALUE」と題した、密度の濃いフォーラムも開催されていました。本来このフォーラムへの参加には、3日間通しのチケットが必要なのですが、時間の都合上どうしても2日目しか出席できない旨をお伝えし、担当の方に特別に対応して頂きました(感謝)。

このフォーラムは、台北芸術産経研究室 (Taipei Art Economy Reserch Center) が主催となり、オランダのMaastrichit Universityや、台湾の国立師範大学、文化庁などが支援して行われていました。
トピックは、1日目は主にペーパーセッション、つまり学会の論文発表が行われたようですが、
( 詳しいプログラムはこちら  >>> )
私が拝聴した2日目は、ドイツ銀行の 国際アートプログラムの紹介を通じて、企業が取り組む現代アート支援の意味、価値についてのレクチャーの他、産経研究室 の今年の主要研究テーマであった、現代アートに関心のある層に向けた、新しいメディア ArtAppの開発報告や、都市における現代アート産業のインパクト、影響力について、ドイツ・カッセルのdOCUMENTA や カールスルーエのZKMへの調査取材の報告などが行われました。

なるほど!と思ったことは実に沢山あります。 一つにはArtAppの開発も、現代アートに興味を持っているユーザーに使いやすいサービスを提供して、代わりにきちんとしたデータを集め、マーケティングに活かそうとしている方針と実践があり、またメディアセンターであるZKMを事例にしたのにも、台湾のIT産業の強みを現代アート産業にもつなげようとする方針を確かに感じました。

3日目は、日本、香港、台湾のギャラリ-ディレクターによるパネルディスカッションが続いたようです。個々のトピックの深い内容に関しては、立派なカタログを頂いたので、後で詳しく拝見しようと(汗)。

ART TAIPEI FORUM  Presentation by Friedhelm Hütte, the Global head of Art program at  Deutsche Bank AG

ART TAIPEI FORUM
Presentation by Friedhelm Hütte, the head of Global Art Program,  Deutsche Bank AG

私は、ART OSAKA 事務局を担当している立場上、どうしても運営やプログラム構成に関心があります。
ART TAIPEI 2013 ではフェア本体でも、特別展として「森山大道の個展」が企画され、森山大道氏をはじめ、毎日複数のトークイベントも開催されていたのですが、それに加えて上記のART TAIPEI FORUMの内容です。
これだけのプロフェッショナルで、充実したプログラムを組める人材力、資金力には、正直、羨ましさを通りすぎて、ため息が出る程です。

ため息ついでに言うと、8日(金)夜には、フェア会場近くの5つ星ホテル W Hotel で行われたVIPパーティに、コレクターのSさんにお誘い頂き、同席させて頂きました。パーティは、着席式での台湾料理フルコースので、原住民の伝統楽器によるとっても現代的なライブ音楽も行われ、 はぁ=) 本当に素敵で贅沢な時間を楽しませて頂きました。

VIP  Dinner Party:W Hotel Taipei

VIP Dinner Party:W Hotel Taipei

(後半に続く)

text:宮本典子 / ART OSAKA フェアマネジャー